アレルギー外来について
当院では気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎だけでなく食物アレルギーの診療も積極的に行っております。
私は小さいころから喘息の発作を繰り返し、何度も母親に救急外来に連れて行ってもらいました。
またアトピー性皮膚炎が酷く、服が血で汚れたり、服が肌に張りついてしまい、腕もあげられないような状況でした。
夜は皮膚が痒くて寝れず、掻かないよう両腕を縛って寝たこともありました。
現在は良い薬も開発されましたが、意外に使い方が難しく、薬を使っていても喘息発作を繰り返したり、痒い湿疹が続いてしまう方もおられます。
自分と同じような思いをして欲しくないと、これまでアレルギー専門医として多くの診療に取り組んできました。
最初に詳しくお話を聞かせていただき、必要に応じて検査を行い、治療方針についてお話させていただきます。
アレルギー症状でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。
食物アレルギー
原因食物を食べた後に蕁麻疹や発赤などの皮膚症状、咳や鼻水、ゼイゼイなどの呼吸器症状、嘔吐や腹痛、下痢などの消化器症状、血圧低下や意識障害など様々な症状を引き起こす病気です。
体の中で作られたIgEという抗体が原因食物のタンパク質とくっつくことにより様々な症状が出てきます。
これまで血液検査や皮膚検査で食物アレルギーの診断が行われることがありました。
検査が陽性の場合はその食物を除去するように指導されることが多く、必要以上の食物が除去され、お子様や保護者の方に多くの負担が強いられています。
その結果、食物アレルギーは増加し、園や学校での給食対応なども問題となってきています。
血液検査の数値が高くても食べられることもありますし、数値がそれほど高くなくてもアナフィラキシーを起こしてしまうこともあり、実際に疑わしい食物を食べてみないと正しい判断ができません。そのため食物アレルギーの正しい診断には食物負荷試験が必要となります。
仮に症状が誘発されてしまったとしても、食べられるところまでは食べる、それがガイドラインで推奨される『必要最小限の除去』につながります。
当院では外来で経口食物負荷試験を行っております。
また食物負荷試験を行うための専用のお部屋もございますので、検査中にDVDなどを見ながら時間をお過ごしいただけます。
「多くの食物を除去していて困っている」、「少しでも食べれるようになりたい」など、今後の治療方針に悩まれている方は一度当院へご相談ください。
重篤なアレルギー症状を起こす可能性の高い場合は総合病院へご紹介いたします。
また緊急時の対応としてアドレナリン自己注射薬(エピペン)の処方もしております。
学校生活管理指導表について
保育園や幼稚園、学校などで食物除去が必要な場合に提出が必要となります。
アレルギー専門医の立場から食物アレルギーの正しい診断に基づき、指導表を記載させていただきます。
気管支喘息
気管支喘息とは何らかの刺激(ダニや埃、かぜなどのウイルス感染症、冷たい空気、運動など)により空気の通り道(気管支)が狭くなることで、『ヒューヒュー』や『ゼイゼイ』してしまう病気です。
発作が起きた時に気管支を広げる吸入を行うことだけでは本当の治療とは言えません。
気管支喘息の治療で一番大事なことは『発作を起こさない』ように治療を行うことです。
そのためには症状がないときも吸入ステロイドや内服薬などを継続する必要があります。
しかし吸入薬の使い方は意外に難しく、毎日頑張って吸入を行っても正しく吸入が行えていないため発作を起こしてしまう場合もあります。
当院では吸入薬の使い方から見直し、効果的な治療ができるようにサポートさせていただきます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は皮膚の慢性的な炎症のため、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
アトピー性皮膚炎の治療の基本はスキンケア、薬物療法、発症・悪化因子の検索と対策(環境整備)を行い、皮膚を良い状態に保つことです。
近年、乳児期の湿疹と食物アレルギーとの関連性が高いことがわかってきました。アレルギー疾患の発症を減らすためには、乳児期早期から適切なスキンケアにより皮膚のバリア機能を高めることが重要となります。
正しいスキンケアのために、正しいお風呂の入り方やステロイド軟膏・保湿剤の正しい塗り方、適切な使用量、減量の仕方などを丁寧にご説明いたします。
『ステロイド軟膏を塗ってもよくならない』『ステロイド軟膏を塗ると良くなるが、止めるとすぐに悪くなる』という方は一度ご相談ください。
アトピー性皮膚炎の治療で主に使用される薬はステロイド軟膏になりますが、副作用もゼロではありません。
正しい使い方をすれば、怖い薬ではありませんが、最近ではステロイド軟膏以外にもプロトピック軟膏®、コレクチム軟膏®(JAK阻害薬)、モイゼルト軟膏®(PDE4阻害薬)などもありますので皮膚の状態や経過に合わせて処方させていただきます。
外用薬だけでは皮膚の状態が改善できない場合は、デュピクセント®といった注射薬やリンヴォック®といった内服薬も使用しますが、メリットとディメリットをお話させていただきます。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は植物の花粉やダニなどのアレルギー物質が原因となり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりをひき起こす病気です。
スギ花粉症やダニによる通年性アレルギー鼻炎は年々増加していますが、抗ヒスタミン薬の内服や点鼻ステロイドなどが治療の中心でした。
しかしこれらの治療は薬で症状を抑えているだけであり、根本的な治療ではありませんでした。
2014年よりスギ花粉に対する舌下免疫療法が、2015年よりダニに対する舌下免疫療法が認可されました。
舌下免疫療法とはアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体内に吸収させることでアレルギー反応を弱めていく治療法です。
当院ではお子様に対しも、積極的にスギ、ダニの舌下免疫療法を行っております。
3~5年続けていただく必要がありますが、多くの方で症状の軽快を認めております。ご興味のある方はぜひご相談ください。
またアレルギー性鼻炎の増加に伴い、食後に口や喉の痒み、違和感が出現する口腔アレルギー症候群も増えてきております。
花粉に対する抗体が、構造的に似ている果物のタンパク質に反応して症状を引き起こす病気で、通常の即時型の食物アレルギーとは異なり、食べられていたものが食べられなくなってしまう特徴があります。
このような症状でお悩みの方はぜひご相談ください。